2.4 赤血球造血刺激因子製剤(ESA; Erythropoiesis-stimulating agents)に対して低反応性の貧血
透析百科TOPページ 2.4 赤血球造血刺激因子製剤(ESA; Erythropoiesis-stimulating agents)に対して低反応性の貧血 1.ESA低反応性貧血あるいはESA抵抗性貧血の定義 エポエチン(EPO)を週3回、1回3000単位(週当たり9000単位)静注しているにもかかわらず、あるいはダルベポエチンエン(薬)を週1回、60μg静注しているにもかかわらず、目標ヘモグロビン濃度(10-11g/dl)を達成できない場合に、このような貧血をESA 低反応性貧血あるいは ESA 抵抗性貧血と定義する[1]。 ■ ダルベポエチン アルファ ネスプ (キリン) 2.ESA低反応性あるいはESA抵抗性の指標 週当たりのエポエチン投与量を透析後体重(kg)とそのときの血液ヘモグロビン濃度(g/dl)で割った値をESA抵抗性(ERI; Erythropoiesis resistance index/erythropoiesis-stimulating agents resistance index)の指標とするよう提案されている。 ERI=週当たりのエポエチン投与量(U/週)/ [透析後体重(kg) x 血液ヘモグロビン濃度(g/dl)] 以上は、エポエチンを使用している患者でのESA抵抗性の指標であるが、これをダルベポエチンを使用している患者にも適用できるように、1 週間あたりの μg 単位のダルベポエチン投与量に 200 を掛け合わせた値は 1 週間あたりのエポエチン投与量(国際単位)と等価であると仮定して、 ダルベポエチンに対する抵抗性が算出されている。 ERI=週当たりのダルベポエチン投与量(U/週) x 200/ [透析後体重(kg) x 血液ヘモグロビン濃度(g/dl)] 近年、より長時間作用型のエポエチンベータペゴル(CERA)が臨床使用されるようになった。しかし、エポエチンベータペゴルのエポエチンへの換算比率はまだ確立されていない。 いずれにしても、それぞれの ESA 間の力価換算比率はかならずしも正確なものではない。したがって、エポエチンの ERI とダルベポエチンの ERI を比較する場合には、ダルベポエチンからエポエチンへの力価換算比率は必ずしも正確なもの...