4.4 %クレアチニン産生速度
1.クレアチニン産生速度と筋肉量
体を構成する全蛋白質の約半分は筋肉を形成するのに使われており、また体を構成する蛋白質の中で、量的に最も大きく変動するのも筋肉を形成している蛋白質である。一方、クレアチニンは筋肉内に存在するクレアチンから非酵素的に産生され、さらに筋肉量が多いほどクレアチニン産生速度も大きくなる。したがって、クレアチニン産生速度は筋肉量の指標であると同時に栄養状態の指標のひとつでもある。クレアチニン産生速度は透析前後の血清クレアチニン濃度から求められる[1]。
体を構成する全蛋白質の約半分は筋肉を形成するのに使われており、また体を構成する蛋白質の中で、量的に最も大きく変動するのも筋肉を形成している蛋白質である。一方、クレアチニンは筋肉内に存在するクレアチンから非酵素的に産生され、さらに筋肉量が多いほどクレアチニン産生速度も大きくなる。したがって、クレアチニン産生速度は筋肉量の指標であると同時に栄養状態の指標のひとつでもある。クレアチニン産生速度は透析前後の血清クレアチニン濃度から求められる[1]。
2.性別、年齢によるクレアチニン産生速度の補正(%クレアチニン産生速度)
しかし、平均的患者の筋肉量は、患者の性別、年齢によって異なる。このため、患者の栄養状態を評価する際には、クレアチニン産生速度そのものを使用するよりも、評価しようとしている患者と同性、同年齢の非糖尿病の透析患者のクレアチニン産生速度の平均値に対する、患者のクレアチニン産生速度の百分率である%クレアチニン産生速度を用いるのが妥当であると考えられる。
しかし、平均的患者の筋肉量は、患者の性別、年齢によって異なる。このため、患者の栄養状態を評価する際には、クレアチニン産生速度そのものを使用するよりも、評価しようとしている患者と同性、同年齢の非糖尿病の透析患者のクレアチニン産生速度の平均値に対する、患者のクレアチニン産生速度の百分率である%クレアチニン産生速度を用いるのが妥当であると考えられる。
%クレアチニン産生速度は死亡のリスクに関する最もインパクトの強い指標である。%クレアチニン産生速度が大きければ大きいほど、死亡のリスクは低下する。ただし、脳血管障害による死亡のリスクのみは、%クレアチニン産生速度の大小とは無関係のようである。
文献
1. Shinzato T, et al: Method to calculate creatinine generation rate using pre- and postdialysis creatinine concentrations. Artif Organs 21: 864-872, 1997.