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【透析災害対策マニュアル】第2章 平常時の心得


【透析災害対策マニュアル】


第2章 平常時の心得


災害が起こる前に自分の家の事や、地域での取り組みを確認しておきましょう。


1) 家族で災害時の対応について話し合っておきましょう。


・患者さんが何処の施設で透析しているのか? 場所は何処にあるのか? など
家族が必ず施設名と場所を確認しておくようにしましょう。

・透析施設から避難する場所も確認しておきましょう。

・万が一の際の家族との連絡方法や集合場所を確認しておきましょう。

・透析に行く途中に被災した場合は、自宅に戻らず透析施設に向かうことを家族
に伝えておきましょう。


2) 透析を受けている施設の災害対策マニュアルを確認しておきましょう。


3)通院している透析施設に自宅で被災した場合の避難場所と連絡方法を伝えて
おきましょう。


4) 下記の点について日頃から心がけておくようにしましょう。


・家の周囲の安全確認

・家の中で安全な場所の確認

・応急手当の知識を身につける

・消火・火気器具などの安全点検

・避難場所、避難道路の確認

・緊急時持ち出し品の点検、置き場所の確認


5) 日ごろから歩きやすい履物で透析に通うようにしましょう。


・災害時に透析室から避難することを想定して透析室への入室の際にはスニー
カーなど動き易いものを履く習慣をつけておきましょう。

6) 自宅で夜間に被災した場合ガラスなどで足を怪我しない
ようスリッパやスニーカーを手近に用意しておきましょ
う。


7) 緊急時持ち出し物品を準備しておきましょう。


・災害時要援護者透析カードとお薬手帳(コピー:最新のもの)

・身体障害者手帳(コピー)

・特定疾病療養証(コピー)

・毎日必要な内服薬(可能なら1週間分確保しておく)と絆創膏などの救急セット

・飲料水( 健常人の半分が目安です:1日 750ml程度)

・運動靴(スニーカー)

・非常食

・携帯電話、携帯ラジオ、懐中電灯等(予備電池)

・現金や貴重品

・保険証、電話帳(アドレスブック)

8) 居住している区や保健所の災害対策について調べておきましょう。


9) あなたの住んでいる場所の災害時拠点病院や、あなたの透析施設の関連・協
力施設を調べておきましょう。


10)実際に災害が起きた場合に透析を行うための医療機関との連絡方法を確認し
ておきましょう。


・最初に、通院している透析施設へ可能な限りの方法で連絡をとり「自分の状況」を報告するとともに、医療機関で透析治療が行えるか確認しましょう。

・通院施設で透析治療が行えない場合は、1)透析が実施できるまでの日数、2)他施設に移動して治療を行う場合の移動方法と集合場所の確認と指示を受けましょう。

・通院施設と連絡がとれない場合は、最寄りの保健所に連絡をとり、指示を受けることができます。保健所と連絡がとれない場合には、地域で指定されている拠点病院に連絡をとり指示を受けましょう。

・腹膜透析の患者さんは、避難所での透析液などが不足する場合などに CAPDメーカーと相談する場合がありますので、CAPDメーカーの連絡先も調べておきましょう。
11)NTT災害用伝言ダイヤル・各携帯で慣れるため練習しておきましょう。(毎月1日に練習できます)

 施設や家族の被災状況を知るためには「NTT災害用伝言ダイヤル」が役に立
ちます。これは 171にダイヤルする方法で、施設や家族が録音した内容を聞くこ
とができるとともに、自分の情報を伝えることもできます。







透析災害対策マニュアル 目次


【透析災害対策マニュアル】


東京都区部災害時透析医療ネットワーク
透析患者災害対策マニュアル

本内容は東京都区部災害時透析医療ネットワーク・患者向けマニュアル作成ワーキンググループが発行したものを見やすく検索しやすいように掲載したものです。著作権は以下に示します。


【目 次】


第 1章 本マニュアルの活用にあたって


第 2章 平常時の心得


第 3章 災害時の心得

 1. 透析中に災害が起きた時の心得

 2. 透析を受けていない時に災害を受けた場合の心得

 3. 腹膜透析、在宅血液透析の方の心得


第 4章 災害時の薬・食事の管理

 1. 緊急時に備えて、普段から心掛けておくこと

 2. 薬の管理

 3. 早期に身体に影響のある薬

 4. 災害時の食事管理









発行 2010年8月30日 第1版第1刷
発行者 東京都区部災害時透析医療ネットワーク
     患者向けマニュアル作成ワーキンググループ
代表世話人 秋葉隆 飯野靖彦
印刷・製本 医学図書出版株式会社