4.7 体重増加率
1.日本透析医学会統計調査委員会に用いている体重増加率
同委員会では、透析前後の体重の差は、前回の透析後の体重と今回の透析前の体重の差にほぼ等しいとの前提の下、透析中の体重減少量の透析後の体重に対する百分率(体重減少率)を体重増加率に代わる指標として用いている。
同委員会では、透析前後の体重の差は、前回の透析後の体重と今回の透析前の体重の差にほぼ等しいとの前提の下、透析中の体重減少量の透析後の体重に対する百分率(体重減少率)を体重増加率に代わる指標として用いている。
2.体重減少率と死亡のリスク 同委員会報告は、体重減少率が4〜6%を越えて大きくなると死亡のリスクが増大すると報告している[1]。この報告は、透析間の体重増加率を4〜6%未満に抑えることが望ましいことを示唆している。 なお、体重増加率は飲水量のみにより決定されるのではなく、nPCRに反映される食事摂取量にも影響される。透析百科の姉妹編である 透析ナビゲータ では、個々の患者の水分摂取量の体重増加率への寄与度と食事摂取量の寄与度とをそれぞれ算出している。 3.体重減少率と心胸郭比 日本透析医学会統計調査委員会の報告によると、体重減少率の大きな患者では心胸郭比も大きい傾向がある。このことより、大きな体重減少率は心循環器系への負荷となり、長期的にはうっ血性心不全の原因になると考えられる。 |
体重減少率が血液透析患者の1年生存に与えるリスク
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(透析歴2年以上)
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文献
1. わが国の慢性透析療法の現況(1998年12月31日現在). pp.616-617, 日本透析医学会, 1999
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